債務整理すると賃貸契約できない?という疑問に回答しています。債務整理が賃貸契約に与える影響や、実際に契約が難しくなるケース、対策について詳しく解説します。債務整理を検討している方、あるいはすでに手続きを行った方は参考にしてください。
債務整理とは?
債務整理とは、借金の返済が困難になった際に、法律に基づいて借金の負担を軽減する手続きの総称です。主に「任意整理」「個人再生」「自己破産」の3種類があり、それぞれに特徴があります。
たとえば任意整理では、利息をカットして毎月の返済額を抑えることができ、裁判所を通さずに手続きが可能です。一方、個人再生や自己破産は裁判所を介して行うため、官報に掲載されるなど一定のデメリットもあります。
債務整理を行うことで生活の立て直しが可能になる一方、信用情報に記録が残るため、一定期間は「金融事故」として扱われる点には注意が必要です。
賃貸契約における審査のポイント
賃貸契約を結ぶ際には、必ず審査があります。主な審査ポイントは以下の通りです。
・入居者の収入状況や職業
・家賃に対する支払能力
・保証人または保証会社の利用有無
・過去の家賃滞納歴
ここで重要なのが、賃貸契約の審査は「保証会社」を通すケースが増えてきているという点です。保証会社は、入居者が家賃を支払えなかった際に家主に代わって支払いを行う立場にあります。そのため、信用情報に問題があると、保証会社の審査に通らない可能性が出てきます。
債務整理が賃貸契約に与える影響
債務整理をしたからといって、必ずしも賃貸契約ができないわけではありません。しかし、保証会社の審査においては、信用情報機関に登録された「金融事故情報」が審査に影響することがあります。
特に、自己破産や個人再生など裁判所を通す手続きをした場合は、信用情報機関に記録が残る期間(5年~10年程度)は要注意です。保証会社がその情報を参照することにより、「リスクが高い」と判断され、審査に通らないケースも見られます。
ただし、すべての保証会社が信用情報を厳格にチェックしているわけではありませんし、賃貸物件によっては保証会社を利用しないケースもあります。
債務整理後に賃貸契約ができないケース
以下のような場合、賃貸契約が難しくなることがあります。
・保証会社の審査に落ちる
・過去に家賃の滞納歴がある
・安定した収入がない(無職、収入が不安定など)
・債務整理直後で信用情報に記録が濃く残っている
とくに、家賃保証会社が信用情報機関(CICやJICCなど)を照会して審査を行っている場合、債務整理の履歴がネックになる可能性が高いです。また、家賃の支払い能力が低いと見なされると、債務整理の有無に関わらず審査に通らないこともあります。
債務整理後でも賃貸契約を結ぶ方法
債務整理後であっても、以下のような対策を講じることで、賃貸契約が可能になるケースも多いです。
保証人を立てる
親族など信用力のある保証人がいれば、保証会社を使わずに契約できる物件もあります。
保証会社を使わない物件を探す
地元の不動産会社や大家さんが直接管理している「保証会社不要」の物件も存在します。
収入証明を用意する
現在の収入が安定していることを証明できれば、審査通過の可能性が高まります。
敷金・礼金・前家賃を多めに支払う
初期費用を多めに払うことで信用を得られる場合があります。
審査がゆるい保証会社を選ぶ
保証会社にも審査基準の違いがありますので、不動産会社に相談してみるとよいでしょう。
債務整理を不動産会社に正直に話すべき?
不動産会社に債務整理の事実を話すかどうかは迷うところですが、無理に隠す必要はありません。なぜなら、不動産会社はプロとして、さまざまな事情を抱えた人の住まい探しをサポートしているからです。
債務整理をしたことを伝えることで、保証会社を使わない物件や、審査が通りやすい物件を紹介してもらえる可能性もあります。また、信頼関係を築くことで、より柔軟な対応をしてくれるケースもあります。
債務整理後に賃貸契約できた事例
実際に債務整理を経験した方の中にも、無事に賃貸契約を結んだ事例は多くあります。
例①:保証人を立てて成功したケース
30代男性が任意整理後、母親を保証人に立てることで、保証会社を使わずに賃貸契約に成功。
例②:地元の小さな不動産で紹介された物件に入居
個人経営の不動産屋で「保証会社不要」の物件を紹介してもらい、無事に引っ越し完了。
例③:正社員になって信用力を高めたケース
アルバイトから正社員になり、収入証明と勤続年数をもとに審査を通過。
このように、工夫とタイミング、誠実な対応があれば、債務整理後でも新たな住まいを得ることは十分可能です。
まとめ:債務整理しても賃貸契約は可能
「債務整理 賃貸契約できない」というキーワードに不安を感じる方も多いかと思いますが、実際には工夫次第で契約できるケースがほとんどです。
確かに、債務整理による信用情報の影響は避けられませんが、それだけで賃貸契約が絶対にできないわけではありません。保証人の有無や物件の種類、収入状況などを考慮しながら、最適な方法を選ぶことで、新たな生活のスタートを切ることができるでしょう。
困ったときは、不動産会社に正直に相談してみることも大切です。債務整理後の生活再建は、少しずつ着実に進めることが何よりの鍵となります。